猫がマーキングをする理由と意味


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 ●猫の尿スプレーや爪研ぎなどに代表される猫のマーキングに困っている方も多いようです。でも、そもそも猫たちはなぜマーキングをするのでしょう。猫のマーキングにはどんな理由や意味があるのでしょう。

 このページでは、猫がマーキングをする理由と意味についてご紹介しています。

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猫の画像猫がマーキングをする理由と意味

猫のマーキングは本能的欲求

 猫がマーキングをする理由には、縄張り(テリトリー)と、異性猫に対する猫の本能が大きく関わっています。

 当サイトの「猫のテリトリー(なわばり)はどうやって決まるの?」のページでもご紹介していますが、もともと野生の中で生き、進化してきた猫は、のら猫でも飼い猫でも、本能的に自分が生きていくための縄張り(テリトリー)を作ろうとします。

 そして作った自分の縄張りを、他の猫に取られたり荒らされたりしないようにパトロールしながら、特定の場所に自分のオシッコや体のにおいをつけて、そこが自分の縄張りであることを主張します。

 こうした、自分のにおいなどで縄張りを主張する行動を「マーキング」といいます。


猫はマーキングで自分と自分の縄張りを主張する

 猫がマーキングをする一番の理由は、もともと狩猟動物として持っている縄張りを守ろうとする猫の本能的な欲求からであり、マーキングにはそこが自分の縄張りだと主張する意味があります。

 猫のマーキング行動のなかで、とくによく知られているのが「尿スプレー」と呼ばれる、オシッコをスプレーのように吹きかける行動です。

 尿スプレーは、縄張りや自分自身を主張するための行動なので、通常のオシッコとは違ってにおいが強く、広範囲にオシッコを吹きかけるところに違いがあります。

 この尿スプレーは、メス猫に対する自己アピールとしての意味もあることから、とくにオス猫に多く見られるマーキング行動として知られています。


高い位置の尿スプレーは自分の大きさと強さを誇示するため

 またオス猫は柱や壁の、より高い位置に尿をかける習性があります。

 これは後述する高い位置で爪研ぎをすることと同様に、より高い位置に尿スプレーをすることで、自分を大きく強く猫と思わせて縄張りに侵入した相手を威嚇・撃退しようという意志の表れだと考えられています。


猫は爪研ぎで自分と自分の縄張りを主張する

 マーキングよって自分を主張し、自分の縄張りを守ろうとする本能的な欲求は、家の中で飼われるようになって、野生の中で生きる必要のなくなった飼い猫にも備わっています。

 猫のマーキング行動には、先ほどの尿スプレーだけでなく、家の柱や壁、家具などで爪を立てて爪研ぎをするのも猫の代表的なマーキング行動としてよく知られています。

 当サイトの「猫が爪とぎをする目的と心理」のページでもご紹介していますが、猫の爪研ぎには、大きく分けて狩りに備えて爪を鋭くする、ストレス解消、マーキングの3つの意味がると考えられています。

 猫の爪は、一見しただけではわかりませんが、何層もの薄い層が重なってできていて、一番上の古い層を爪研ぎによって剥がし、その下の新しい層を出すことで常に鋭い状態にしています。野生時代には、狩りの重要な武器である爪を常に新しく鋭くしておくことが生きていくためにとても重要だったのです。

 こうした習性は、狩りをする必要がなくなった家庭で飼われている家猫にも本能としてしっかり残っています。この習性の名残りで、家猫であっても爪を研ぐのです。こうした習性は、同じネコ科のトラやライオンやヒョウにも見ることができます。

 でも、こうした爪研ぎの習性は、単に狩りに備えることばかりが目的ではありません。猫の爪研ぎには縄張りを主張するためのマーキングとしての意味もあります。

 猫の前足の裏にはぷにぷにとした柔らかい肉球がありますが、この肉球の間には臭腺と呼ばれるそれぞれの猫特有のにおいのある分泌物を出す器官があります。

 猫は前足で爪研ぎをすることで、この臭腺から出るにおいや爪痕をつけ、「ここは自分の縄張りだ」と主張します。このとき、高い位置で尿スプレーをするのと同じ理由で、体を伸ばして、より高い位置で爪を研ぎ、「自分は大きくて強い」ということをアピールします。

 このように猫は、オシッコや体のにおいや爪痕などの様々な方法で自分自身と自分の縄張りを主張します。そのための行動がマーキングなのです。


猫のマーキングは完全にはやめさせられない?

 こうした爪研ぎによるマーキング行動は猫の本能的な行動なので、叱ってやめさせることはなかなか難しいものです。完全にやめさせることは不可能といってもいいかもしれません。

 かといって、放っておくと、家の柱や壁、家具など様々な場所で爪研ぎをして、家の中がぼろぼろになってしまいます。

 そこで、家の中の壁や柱、家具などの猫が爪研ぎをしたくなる場所に保護シートを貼るなどして保護し、猫には気に入りそうな爪研ぎ用品を用意してあげるることが効果的です。

 木製やダンボール製など、さまざまなものがペットショップやホームセンターなどで手にはいりますので、爪研ぎの被害に困っているようなら探してみるといいですね。

 また尿スプレーも、猫の本能的な行動とはいえ、むやみに家の中でされては困ります。

 尿スプレーには縄張りを主張する目的と発情したメス猫に対する自己アピールという目的がありますので、オス猫の場合は去勢手術をすることである程度減らすことができますが、完全にやめさせるのは難しいようです。

 「新・子ネコの育て方百科」(桑原久美子著・成文堂新光社)によると、メス猫は生後6〜7ヶ月齢で最初の発情が訪れ、通常、発情は日照時間に左右され、1日に12時間以上の日照で発情がきますが、室内飼育の場合は夜間照明のために、季節を問わず発情がくるのだそうです。

 そしてオス猫はメス猫の発情につられて発情がくるので、発情がくるとメス猫同様にマーキングとして強いにおいの尿スプレーをするようになり、発情期前もしくは、発情がくる生後6ヶ月齢前に手術すれば、発情によるマーキングを防ぐことができるのだそうです

 いずれにしても、猫のマーキング行動は、もともと猫が持っている生きるために縄張りを守りたいという欲求や、メス猫に対する自己アピールといった本能に基づいた、ごく自然な行動というわけですね。


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 出典及び参考書籍

 「新・子ネコの育て方百科」(誠文堂新光社・桑原久美子著)/「かわいい猫との暮らし方・しつけ方」(誠美堂出版・監修小島正記)/「0才からのしあわせな子猫の育て方」(大泉書店・服部幸・監修)/「はじめての猫飼い方育て方」(学研パブリッシング・石野孝・監修)ほか


  

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