キャットフード(猫の主食)の種類と選び方


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 ●猫を飼う上で、猫の毎日の主食であるキャットフード選びは、とても重要です。なぜなら、もしも与えているキャットフードが間違っていたり、その猫に合ったものでなかったら猫の健康を損なってしまう原因になるからです。では、猫の主食となるキャットフードは、どんなことに注目して選べばいいのでしょう。

 このページでは、猫の食性や猫に必要な栄養と栄養バランスを考えたキャットフード(主食)の選び方についてご紹介しています。

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猫の画像キャットフード(猫の主食)の種類と選び方

猫と人間とでは適した食べ物が違う

 すでにご存知のように猫は肉食の狩猟動物ですから、食べられるものなら何でも食べる雑食性の私たち人間とでは、そもそも適している食べ物の種類が違います。

 ところが猫たちも人間といっしょに暮らすようになって、人間が美味しそうに食べているものを見ると興味をそそられるのか、飼い主が食べているものを欲しがる、ねだるといったことがよくあります。

 そうすると飼い主さんの方でも、飼い猫が欲しがると、つい自分の食べているものを与えてしまいたくなるものです。

 ところが、先ほどもご紹介したように、雑食性の人間と肉食性の猫とでは適した食べ物が違いますし、体の構造や消化機能も違いますから、猫が欲しがるからといってむやみに与えていると猫の健康を損なうことにもなりかねません。

 もともと猫はネズミなどの小動物を捕まえて、その肉や骨などをまるごとを食べることで必要な栄養を摂取してきましたから、人間とは違う肉食に適した体のつくりや消化機能を持っています。

 「しあわせな子猫の育て方(東京猫医療センター院長 服部幸監修・大泉書店)」によると、「猫の肝臓は動物性タンパク質を摂取することで酸を補っているので、肉を食べないと正常に機能しない」のだそうです。

 また、雑食性の人間と違って猫の腸(腸管)が短いのも、とらえた獲物を食べて得るエネルギーを効率よく取り込むための肉食動物ならではの特徴なのだとか。

 つまり、人間が食べているものを安易に猫に与えると栄養が不足するばかりでなく、内臓の働きにも負担がかかり、結果として飼い猫の寿命を縮めてしまうこともあるということです。

 猫の主食には何がいいのか、どんなキャットフードを選べばいいのかを考えるなら、なんとなく…ではなく、こうした猫の食性や食性に適した体の構造・機能を理解した上で猫に適したキャットフードを選んで与えることが猫の健康にとってとても重要といえます。


猫と人間とでは必要な栄養のバランスが違う

 猫や人間などの動物が生きていくのに必要な栄養素のなかでとくに重要とされるのが、脂肪、タンパク質、炭水化物の三大栄養素です。この三大栄養素が必要であるという点では猫も人間も同じですが、猫と人間とではそれぞれに必要とされる栄養素のバランスが違います。

 「はじめての猫の飼い方・育て方(かまくらげんき動物病院院長 石野孝監修・学研パブリッシング)」によれば、人間が必要とする三大栄養素の割合は、脂肪14%、タンパク質18%、炭水化物68%なのに対して、猫の必要とする三大栄養素の割合は、脂肪20%、タンパク質35%、炭水化物45%なのだそうです。

 つまり猫は人間のおよそ2倍もタンパク質を必要とするということなのですが、そのいちばんの理由は、やはり人間は雑食の動物、猫は肉食の動物であるという違いにあります。

 さらに猫は、雑食性を併せ持つ犬たちとは違って、純粋な肉食性の動物ですので、とくに良質なタンパク質を必要とします。ところが、先ほどの数値からもわかるように猫は人間ほどには炭水化物を必要としていません。このように猫と人間とでは必要とする栄養のバランスが大きく違うのです。

 また、「しあわせな子猫の育て方(東京猫医療センター院長 服部幸監修・大泉書店)」によると、猫が必要とする五大栄養素(タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル、炭水化物)では、肉食の猫は体重1Kgあたりの一日の平均必要量は人間のおよそ5倍にもなるのだそうです。

 とくにタンパク質を構成するアミノ酸の中で、体内で生成されず食物から摂取する必要のある「必須アミノ酸」は、人間の9種類に対して猫は11種類とその数も多くなっています。とくにタウリンは猫にとってとても重要で、不足すると視覚や心臓の機能に影響が表れることがよく知られています。

 以前は猫の食事といえば、人間の食事の残り物を使ったものを与えることが多くありました。しかし、猫の健康を正常に保つために必要となる栄養素の違いを知らずに、人間の食事の残り物を長期間にわたって猫に与え続けることは、確実に猫の健康を損なうことになります。

 とくに、ネギ類などのように人間には問題のない食べ物でも、猫にとっては命に関わるものも少なくありません。人間が食べて安全なものなのだから…と安易に猫に与えることはとても危険なこと。猫の主食は、こうしたことを良く理解して、猫にとって本当に安全なものを選びたいものです。


猫に最も適した主食は「総合栄養食」のキャットフード

 ひとくちにキャットフードといっても、たくさんの種類がありますが、目的別に大きく分けると3種類あります。その3つとは、猫が必要とするすべての栄養素を含む「総合栄養食」おやつとして与える「間食」、そしてそのどちらにも属さない「その他の目的食」です。そのなかで猫に必要な栄養とバランスを最も満たしているのが「総合栄養食」と呼ばれるタイプのキャットフードです。

 さらに表記によっては、「一般食」「副食」といったものもありますが、これらは言ってみれば猫の好みに重点を置いて作られたおやつのようなもので、たまに与えるのは問題ありませんが、栄養面やバランスに偏りがありますので猫の主食には向いていません。

 総合栄養食と表示されたキャットフードと新鮮な水があれば、猫に必要な栄養素は十分満たすことができますので、基本的にはそれ以外は何も与えなくても大丈夫です。


猫の年齢に合ったキャットフード選び

 総合栄養食と表記されたキャットフードにも、対象となる猫の年齢や特定の機能をもたせたものなど、いくつかの種類がありますが、猫の総合栄養食を選ぶ上で重要なのは、まず猫の年齢(ライフステージ)に合ったものを選ぶということです。

 総合栄養食と書かれているならどれでもいいというわけにはいきません。その理由は、いうまでもなく、猫は年齢や体の特性によって必要な栄養のバランスも変化していくから。総合栄養食といえども、猫の年齢に合ってないキャットフードを与えると、栄養過多や栄養不足で猫の健康を損なうことにもなるからです。

 表記としては、「子猫用」「成猫用」「高齢猫用」などがそれです。機能面については、「歯石対策」「毛玉対策」「肥満対策」などのように特定の目的に合わせた総合栄養食もあります。こうした付加価値をつけた総合栄養食を選ぶ場合でも、必ず猫の年齢に合ったものを選んでおきましょう。

 子猫期(0歳〜1歳)

 0歳〜1歳までの子猫、とくに生後4週齢くらいまでは母猫の母乳もしくは子猫用ミルクが適しています。そして生後4週齢を過ぎて、歯が生えそろう頃になってから離乳食に切り替えます。

 その後1歳になる頃までの成長期の子猫は、しっかりとした体作りのために、大人の猫のおよそ3倍のカロリーが必要といわれていますので、できるだけ消化が良くカロリーの高い子猫用の総合栄養食を主食として与えることが重要です。

 成猫期(1歳〜7歳)

 「しあわせな子猫の育て方(東京猫医療センター院長 服部幸監修・大泉書店)」によると、大人の猫(成猫)の1日に必要とするエネルギー量は、運動量の多い猫で体重1Kgあたり65キロカロリー、運動量の少ない猫の場合だと体重1Kgあたり45キロカロリーが目安なのだそうです。

 とくに妊娠中や出産後の母猫の場合は、より多くの栄養を必要とするので、成猫用総合栄養食の量や回数を、通常より多めにすることがポイントです。

 高齢猫期(7歳〜)

 猫も高齢になると一日に必要とするエネルギー量が少なくなっていきます。一般的に高齢期の猫の1日に必要なエネルギー量は、成猫期の猫のおよそ90%程度といわれ、栄養バランスを考慮に入れながら、より低タンパク低脂肪の総合栄養食に切り替えていきます。

 また人間でもそうですが、猫も高齢になると内臓機能が低下してくるため、腎臓機能への影響を軽減するために塩分を控えること、食物繊維を多く含むものを与えることで腸の働きを助けることが重要とされています。


ドライフードとソフトドライとウェットフードの違い

 キャットフードには、大きく分けると「ドライフード」と「半生(ソフトドライ、セミモイスト)」「ウェットフード」の3種類があります。その違いはキャットフードに含まれる水分量です。

 一般的には水分量が少ないほど長期保存が可能になり、水分量が多くなるほど保存期間が短くなります。

 ドライフードは一般的にフードに含まれる水分量が10%以下のもので、カリカリとした食感で歯垢がつきにくく、水の含有量が少ないので単位重量あたりの栄養価が高い、開封後およそ1ヶ月程度の保存が可能であるという特長があります。

 一方ウェットフードは、フードに含まれる水分量がおよそ75%前後で、フードを食べることで水分の補給ができること、食感が柔らかく風味も良いことから猫が好むなどのメリットがあるものの、開封後の長期保存ができないというデメリットもあります。半生(ソフトドライ、セミモイスト)は、ドライフードとウェットフードの中間的なフードです。

 また、キャットフードに含まれる水分量の違いは、猫が食べたときの食感の硬さや柔らかさの違いとなって表れるので、猫食いつきや好みにも影響します


キャットフード選びのポイント

 キャットフードのパッケージやラベルには、ペットフード公正取引協議会が定めた品質に関する情報が記載されてますので、まず個々の表示を確認しておきましょう。

 ペットフード公正取引協議会が定めた品質に関する情報の内訳は、商品名、キャットフードの目的(種別)、内容量、給与方法、賞味期限、成分、原材料、原産国、事業者名などで、通常は必ずどこかにこうした内容が記載されています。

 キャットフードの目的(種別)

 キャットフードの目的(種別)というのは、そのキャットフードがどういう目的で使用されることを目指して製造されたものなのかということに関する表記です。猫の毎日の主食として与えるものは、必ず「総合栄養食」と明記されたものを選んでおきましょう。

 キャットフードの機能

 キャットフードの機能というは、たとえば室内飼いの猫用や対象となる猫の種類(品種)などの、ある特定の目的に合わせた機能を持って製造された製品であることを表す表記です。

 ほかには猫のライフスタイルに合わせたものや、避妊・去勢手術の後に必要な栄養が強化されたもの歯石対策用や肥満猫用、毛玉対策用など猫の健康管理の手助けとなる機能を持ったものもあります。

 こうした、ある特定の目的や機能を強化したキャットフードは、多くの場合、単発的な使用ではなく長期にわたって継続的に与えることで効果が現れます。そのため、こうした機能を効果的に活用するには一定期間同じものを与える必要があります。

 キャットフードの原材料

 キャットフードの原材料は、その製品に使われている割合の高いものから順に列記されています。とくにアレルギーの心配がある猫の場合は、ここの記載を必ず確認しておきましょう。

 内容量

 猫の種類やライフステージ(成長段階)よっても違いますが、長期保存が可能なドライフードならおよそ1ヶ月、保存が利かないウェットフードなら1日で食べきれる量を目安に購入することがポイントです。中身を小分けにしてパックされているものが、無駄に開封しなくて済むので使いやすいです。

 対象となる猫の年齢

 猫のライフステージ(成長段階)によって必要になる栄養や栄養バランスが変わってきますので、必ず飼い猫の年齢にあわせたキャットフードを選びましょう。

 表記には、大きく分けて「子猫用」「成猫用」「高齢猫用」があります。選ぶときの目安は、1歳未満は子猫用、1歳〜7歳が成猫用、7歳以上は高齢猫用です。

 賞味期限

 キャットフードに記載されている賞味期限は未開封で適切に管理された状態下での品質保証期限を表しています。通常は、お店側で管理しているので賞味期限の切れたものが店頭に並んでいることはまずないと思いますが、万が一を考えて賞味期限を確認して、過ぎているものはもちろんのこと、あまり近いものも避けておきましょう。

 長期保存が可能なドライフードの場合でも一度開封すると日毎に劣化していくので、早めに使い切ることが大切です。


療法食は獣医の指導に従って与える

 キャットフードの中には、特定の病気の治療を目指した食事療法用の「療法食」というものもあります。

 動物病院や、動物病院に併設されたペットショップ、動物病院が運営するホームページなどで購入することができますが、製品によっては獣医師の指導のもとでの使用が求められているものもあるので必ず確認が必要です。

 自己判断で間違ったものを与えたり、与え方を間違ったりすると猫の健康を損なうことにもりますので、飼い猫の食事療法を考える場合は、一度獣医師に相談して指導を受けておきましょう。


猫に与える手作りごはんは栄養バランスに要注意

 肉や魚などの食材を使って自分で作った食事を猫に与えることは、飼い主さんの楽しみでもありますし、書籍やネット上でも様々なレシピが公開されていますので、活用したいところですが、猫に必要な栄養バランスやカロリー量に対する正しい理解がないままに独自の判断で手作りの食事を猫に与えると、健康を損なうことにもなりかねません。

 猫に手作りごはんを与えるときは、その食事の内容が本当に猫に適しているのか、よく確かめる慎重さも必要です。


ドッグフードは猫には絶対与えない

 ドッグフードとキャットフード、見た目がかなり似ているものが多くあります。けれど、犬は雑食に近い肉食動物、猫は純粋な肉食動物。同じ肉食動物とはいえ、食性が違うので必要とする栄養素もバランスも違います

 とくに体内で作り出すことのできないタウリンやビタミンAなどを猫は食物から摂取して補っているため、犬用に作られたドッグフードでは重要な栄養素が補えず健康を損なってしまうことになります。猫にはちゃんとキャットフードを与えてあげましょう。


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 出典及び参考書籍

 「新・子ネコの育て方百科」(誠文堂新光社・桑原久美子著)/「かわいい猫との暮らし方・しつけ方」(誠美堂出版・監修小島正記)/「0才からのしあわせな子猫の育て方」(大泉書店・服部幸・監修)/「はじめての猫飼い方育て方」(学研パブリッシング・石野孝・監修)ほか


  

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